ファシリテーターは「プロセスに働きかける」「プロセスに介入する」「プロセスを管理する」といった表現をされることがあります。プロセスに関わろうとすることがファシリテーションと言ってもいいかもしれません。
話し合いのファシリテーションであれば、「アウトプット=コンテンツ(コンテント)×プロセス」といった公式で説明されたりもします。議題や内容はメンバーに任せて、ファシリテーターは(場に、メンバーに、議題に)中立的な立場で、場を盛り上げたり交通整理をすることに着目するというニュアンスです。
では、話し合いのファシリテーションも含めて、もう少し大きくファシリテーションを捉えたときのプロセスとはどのようなものでしょうか。
シンプルに表現すると以下のようになります。
話し合っている話題や課題(=コンテント)は目に見えやすく(捉えやすく)、水面下で起こっているさまざまな事柄(=プロセス)は見えにくいけれど、その時の、そしてその後の行動等にも影響を与えます。あとで詳しく紹介しますが、ここでいうさまざまな事柄とは
- メンバーの様子
- コミュニケーションの仕方
- グループの中での自分のあり方
- グループの雰囲気
などを指しています。
プロセスとは、日本語にすると「構造」や「関係的過程」になります。関係的過程とは「~と~との間で起こっている事柄」のことです。
すべてのプロセスを把握することは不可能ですが、プロセス理解の視点としてざっくり以下の四つが挙げられます。
- コミュニケーション
- メンバーのあり方や影響関係
- 意思決定の型
- グループの雰囲気
これれらを五感を通して捉えていきます。
より個人に視点を移すと、以下のように、外から見える行動、外から見えない思考=アタマ、感情=ハート、欲求=ハラ を分けて捉えることも可能です。
「していること」に目が行きがちですが、その奥に「考えていること」「感じていること」、さらに「望んでいること」があります。これらを上下して関連付けながら理解していきます。
本当は少しズレるのですが、いずれも、話題そのものや表出されているものの奥、水面下にあるものを意識的に探っていくことの重要性を指摘しています。
プロセスはとても重要な概念ですので、これからも何回か取り上げることになりそうです。
今回の議論は、星野欣生先生、Korthagen,Fred A.J.先生などの議論をふまえつつ、独自の知見を盛り込みながらご紹介しました。
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